2023.08.18

⚠⚠熱中症や外耳炎!わんちゃんの夏の5大トラブル⚠⚠

夏のトラブル1. 熱中症

毎年7月から8月にかけて、熱中症の発生が一気に増加します。
私たち人間でも命を落とすことがある熱中症は、暑さに弱いわんちゃんにとってはさらに危険度が高いと言っていいでしょう。高温多湿な環境下で運動したり長い時間、直射日光にさらされたりすると、わんちゃんは体温調節が追いつかず脱水症状を起こし、熱中症や心停止など深刻な状態になる危険性があります。次に挙げるような症状が見られる場合は、すぐにわんちゃんを涼しい場所に移し冷たいタオルをかけて体を冷やしましょう。自力でできるのであれば冷たい水を少量ずつ飲ませてください。応急処置が済んだら速やかに動物病院へ連絡をし、指示に従うようにしましょう.

熱中症が疑われる症状

・激しいパンティング
・呼吸困難
・動悸
・発熱
・無気力
・過度の喉の渇き
・めまい(フラフラしている)
・倒れる
・目がうつろ
・吐き気や嘔吐
・舌が紫色になる(チアノーゼ)
・多量の唾液分泌
・意識障害

夏の間、室内ではエアコンなどを使用してわんちゃんにとって快適な温度を保ちましょう。
また、わんちゃん用のベッドや毛布を用意し、寒い時には自ら移動できるように工夫してあげるといいですね。

屋外においては、より一層の注意が必要です。地面近くは気温より高温となるため、飼い主さんの体感よりもわんちゃんは暑さを感じます。気温が高い時間の散歩や外出は避けることはもちろん、早朝や夕方でも暑いと感じる日には濡らして着用するクールウェアや、保冷剤を入れて巻くクールネックなどを活用しましょう。
私たち人間は首の後ろを冷やしますが、わんちゃんは動脈が喉の方にあるので保冷剤の位置を前側にするとより効果的です。また、車やテント、日当たりのいい部屋などの気温が上昇しやすい場所に愛犬を置き去りにすることは絶対にしてはいけません。汗をかけないわんちゃんにとっては、たとえ5分でも熱中症を引き起こすリスクがあります。
「窓を開けておくから…」「日陰だから…」「ほんの数分だから…」その油断がわんちゃんの命を奪うことになりかねないことを、十分に認識しておきましょう。

夏のトラブル2. 夏バテ

夏バテは暑さによってわんちゃんの食欲や活動量が低下したり、疲れやすくなったりする体調不良を指します。
暑さによるストレスや運動不足、水分不足が原因となることが多く、食欲不振、元気がない、嘔吐、下痢といった症状が見られます。急にごはんを食べる量が減った、お散歩に行きたがらず寝ていることが多い、下痢や便秘、嘔吐を繰り返すなどの症状が現れたらご注意を。暑くなってからの愛犬の様子が明らかにこれまでと違う場合や症状が長引く場合は、動物病院にかかることをおすすめします。また、普段からあまり動かないシニアや食への興味のないわんちゃんの場合には、夏バテに気付くのが遅くなってしまったなんてこともあるので注意深く愛犬の様子を確認してあげてください。

夏のトラブル3. 肉球の火傷

夏の日中のアスファルトは、60℃以上にもなることをご存知ですか?
靴を履いて歩く私たちと違い、素足で歩くわんちゃんにとって熱せられたアスファルトは焼けた鉄板の上を歩くようなもので、火傷を起こす危険性があります。火傷を負ってしまうと、肉球が赤くなる、腫れる、水ぶくれができるといった症状が見られます。散歩時には気温の低い時間帯を選ぶほか、アスファルトなどで舗装された場所を避け、わんちゃんが歩きやすい草や地面を選びましょう。また散歩後には肉球のケアを行い、症状が続く場合は動物病院を受診してください。

夏のトラブル4. 外耳炎

わんちゃんは外耳道がL字状で奥が見えない構造になっているため、湿った空気がこもりやすい特徴があります。
さらに日本の夏のジメジメとした多湿な環境ではさらに蒸れやすく、細菌が繁殖して炎症し、外耳炎を引き起こしてしまうのです。外耳炎になると、耳をかゆがる、耳をかく、赤みや腫れ、異臭がするといった症状が見られます。進行すると中耳炎となり、さらに悪化すると平衡感覚を保つ働きをする内耳に炎症を起こしたり、痛みを伴うため、疑わしい症状があれば早めに獣医師の診察を受けることが重要です。また、日ごろから市販のイヤーローションや耳用のウェットシートなどを使って優しく耳を掃除するといったケアも欠かせません。

夏のトラブル5. フィラリアやマダニ

夏は蚊やマダニが増える季節ですよね。
蚊に刺されることでフィラリアに感染してしまったり、マダニに噛まれることで感染症やアレルギー反応を引き起こしたりする可能性があります。フィラリアはわんちゃんの心臓や肺に寄生する寄生虫による病気ですが、発症すると命に関わる恐ろしい感染症です。また、マダニは赤血球を破壊するバベシア病などの多くの病原体を媒介するため、わんちゃんを草むらなどに近づけないようにしましょう。どちらも予防薬での対策が必要なので、春頃には動物病院で処方してもらい予防をスタートさせましょう。

まとめ

どの季節にもわんちゃんにとって注意しなければならないことはありますが、夏はとくにわんちゃんにとって厳しい季節と言えるでしょう。わんちゃんの身体的特性を十分に理解したうえで、熱中症や夏バテなどの夏特有の症状にならないよう、適切な予防やケアを行ってください。私たち飼い主のケアなしでは、夏のトラブルを引き起こしかねません。夏の暑さに負けず、わんちゃんと楽しい夏を過ごしましょう。