⚠⚠肛門腺や病気の可能性も?おしり歩きの原因とは⚠⚠
わんちゃんが床やカーペットに肛門を擦り付けたままズリズリと歩くのを見たことはありませんか?これの行動は一般的に「おしり歩き」と呼ばれています。衛生的な面から、飼い主さんにとってはあまり嬉しくない行動ですよね。
しかしおしり歩きはわんちゃんが体の不調を訴えるサインの場合もあるのです。
「おしり歩き」とは?
おしり歩きとは、わんちゃんが床やカーペットに肛門やお尻を擦り付けたり、そのまま歩いたり這ったりする行動を指します。これは一般的におしり周りに何らかの違和感を覚えたり、刺激を感じているときに行われることが多いとされています。わんちゃんにとってはそのストレスを取り除こうとしているのです。そのため飼い主さんは愛犬がおしり歩きをしている原因を明らかにし、早急に対処してあげることが大切です。
皮膚の刺激や痒み
おしり歩きをする原因で最も多いのは、お尻周りの皮膚の刺激や痒みです。
この痒みは、皮膚炎、アレルギー、湿疹、できものなど、皮膚の異常によって引き起こされることがあります。そのほかにバリカンを使用した後の刺激や下痢便が付着することで起こる炎症が痒みの原因になることも。
腸や肛門の問題
便秘などの腸に関連する違和感や肛門の炎症などがおしり歩きの原因となることがあります。とくに肛門線に分泌物が溜まっているとムズムズするので、お尻を頻繁に舐める行動も見られるようになるでしょう。
ゴミの付着や毛のもつれ
毛の長いわんちゃんの場合お尻の周辺にゴミがついたり、毛のもつれが気になっておしり歩きをすることがあります。また、しっかり排泄しきれなかった便が少し残っていたり消化しきれなかった野菜やペットグラスなどが飛び出していることも。
おしり歩きに隠れた病気
おしり歩きはかゆみや刺激によるものだけでなく潜在的な病気のサインとしても現れることがあります。以下はおしり歩きに隠れた病気の一例です。
直腸腫瘍
わんちゃんがおしり歩きを頻繁に行う場合直腸に関する問題、とくに直腸腫瘍が原因の可能性が考えられます。直腸腫瘍は腸にポリープができる重要な健康問題であり早期発見が重要です。
肛門腺
わんちゃんの肛門腺(肛門嚢/こうもんのう)が詰まると、かゆみや不快感を感じることがあります。肛門腺は、便の通過時に分泌物を排出する役割を果たしており、詰まることで問題を引き起こします。例としては、肛門腺に分泌物が溜まりすぎて袋が破裂してしまう「肛門嚢破裂」や、肛門腺に細菌が感染して起こる「肛門腺(嚢)炎」などが挙げられます。肛門腺のトラブルは一度なってしまうと繰り返すケースが多いため早期に対応してあげましょう。
寄生虫
おしり歩きはサナダムシの仲間の瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)や線虫といった紐状の寄生虫が腸に寄生している可能性も考えられます。また、わんちゃんがグルーミングをしているときなどにノミを飲み込んでしまうと、ノミの体内にいる瓜実条虫に寄生されてしまい、お尻から出てくるときに強い痒みを引き起こします。肛門を観察してみて、紐状のものが出ているようなことがあれば寄生虫がいる可能性が。放っておくと出血性腸炎など、胃腸へのダメージを受ける危険性があります。
椎間板ヘルニアの場合も
椎間板ヘルニアの場合も一見おしり歩きに見えることがあります。「腰を持ち上げられない」「後ろ足を引きずる」「よろよろする」といった状態が見受けられたら早急な獣医師による診察と検査を受けましょう。
食物アレルギー
食物アレルギーの症状である痒みが肛門に出てしまうこともあります。目や口元、脇などの痒みを感じているようであれば食物アレルギーを疑ってみてもいいかもしれません。
おしり歩きの対処法
寄生虫予防
ノミやダニ予防の製品を使用し、寄生虫感染を予防しましょう。また年に1、2度は動物病院で健康診断を受けておくと寄生虫検査で早期発見できるので、寄生していても駆虫薬で治療ができ重症化を防げます。
食事とアレルギー管理
食物アレルギーがおしり歩きの原因である可能性があれば食事療法を検討しましょう。
食事によるアレルギーは、特定の食材を除外したり、フードを変えたりすることで改善できることがあります。ただし自己流での治療はせず獣医師に相談して治療方針を決定するようにしてください。
肛門腺のケア
肛門腺の詰まりが原因である場合、飼い主さんが定期的に絞るか獣医師やトリマーなどの専門家によるケアが必要です。定期的に肛門腺を絞ることで詰まりを防ぎます。
清潔に保つ
うんちの後は必ずおしり周りをチェックし、汚れていればウェットティッシュ(ノンアルコール)などですみやかに拭き取りおしり周りはいつも清潔にしておきましょう。
まとめ
おしり歩きはわんちゃんがお尻周りに不快感や刺激を感じて行う行動でその原因はさまざまです。愛犬がおしり歩きをしていたら無視をせずに獣医師の診察を受けて原因を特定しましょう。病気が原因であれば早期の発見とケアが重要です。愛犬の健やかで快適な暮らしのために飼い主さんができる予防法や対処法を実行してあげましょう。